6月20日に始まった今年の梅仕事も、とうとう終盤を迎えたようだ。
8月14日ひる現在、干し残してあった「南高梅2L」の半分が天日干しを終えて完成。ほかのロットはすべて、番号を記した紙が貼られ床下に眠っている。
例年は紙切れに品種、日付け、塩分濃度などを書き散らしていたが、ことしから一冊のノートにロットごと詳しく書き込み、入手先、経緯や感想、外観の変化なども記録してある。のちのちになって味見して「おお、これはザラメを加えたやつだ、良い塩梅」ということもあるだろう。
こうした知見が得られ、また重なれば、やがてはもっと上手くなれる。これがもしかしたら、水上勉さんが書いた「梅にからんで生きてきている」ということにもつながっていくのかもしれない。
今年、前半のロットは5キロ7キロとまとまっていたので、樽を用いて漬け、大笊にて干した。熟し梅が出回る終わりの頃は、梅の入手先とタイミングの都合から、少量のロットをいくつも漬け込むこととなる。そのため、ちまちまと「分けて漬ける」「分けて干す」必要が生じていた。そこで後半のロットでは初めての取り組みとして、Zipロックの袋を用いた。袋漬け状態の写真を撮っておかなかったのは、残念。
分量的に小笊いくつかで上手い具合に干せた。手間の笊には赤紫蘇が写っている。これは自家製のゆかり風ふりかけとして愉しめる。
庭の梅の実たち。破れ、潰れが出たものは、クッキングシートの上で干しておいた。潰れ梅も、練り梅や料理などに出番がある。ひと粒も無駄にせず、その恵みはすべて大切にする。
最後まで干し残された南高梅の2Lのうち半分。8月9日になってようやく笊が空き、待ちに待った炎天に炙られる。梅酢から上げたばかりはこのようにあんず色とでも書けばいいのか、黄色味を帯びている。
これが、二日三日と灼かれると、徐々に褐色が深まり、おもてに塩の粉を吹き、梅干へと昇華する。
今年最後のロット、8月14日昼をもって完成。
長期保存用のガラス瓶、アマゾンで調べたら日本製を堂々と謳っている「日本山村硝子株式会社」というガラス屋さんのビンを入手できた。支那産がどうなのか知る由もないが、まあ、安心を買う意味で箱買いする。
床下にしばらく眠り、深い味わいをまとった頃、遠くに送られる梅たちもいる。行った先で味わってもらうそのとき、その滋味の中に僕というにんげんが絡めているか、確かめてもらえるだろう。
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