2016年7月1日金曜日

ケツ出し山を訪ねて


樹林帯の鞍部に降り立った僕は、思わず、こう呟いた。(以下、一部に伏せ字を使用します)

 ここは、信州の*門だ。


松本市四賀というところにある入山の三角点ピーク(1626.5m)から、尾根通しに約50m下ると鞍部になっている。その先には登り返す格好で、もうひとつのピークがある。こう書くと双耳峰のように誤解されるが、もっとまろやかな地形のため、双耳峰ではなく「お尻型」になる。お尻型の、まるい双丘の狭間に位置する鞍部に立って、僕は理由も無く地形を観察してしまった。鞍部に、高さ1メートルぐらいの土の盛り上がりがあるのだ。お尻型の山である。鞍部の土の盛り上がりである。まぎれもなく、*門ではないか。

この入山。北ア、常念岳や蝶ヶ岳から安曇野を眺めると、嫌でも目に着く。安曇野の向こう、美ヶ原の北のあたり、野原しんのすけによる「ケツだけ星人」が等高線によって丁寧に再現されている。


これは東天井岳付近から。雲海の上の山並みは、地元では「滝山山塊」などと呼ばれている。その最高地点が入山=ケツ出し山。左の黒いお山は有明山。





これは穂高有明の冨士尾山山頂から。トリミングしている。





これは蝶槍付近から。手前の谷が烏川渓谷。




安曇野市堀金というところに生まれ育った友人に尋ねてみた。
「見事にお尻の形をした山があるね、知ってた? お尻山」

すると、普段は物静かな友人は、なぜかムキになって言い返した。
「いや、あれはケツ出し山だ。お尻山じゃねぇ。ケツ出し山だ。」
唾を飛ばすような勢いで、しかもケツ出し山を繰り返して。

こんな風に、安曇野在住の人々には「ケツ出し山」で知られている。地元四賀の衆も心得ている。だって「ケツ出し山」を冠したイベントがあったぐらいだ。感心したのは、上田に出かけた折に、この山の東側にあたる上田・塩田平からも、見事なお尻型に見えたことだ。

信州の真ん中にお尻型のケツ出し山があって、そのまるい双丘の狭間に土の盛り上がりを見つけたことは、既に書いた。だから僕はこれを、信州の*門だと思ってしまったのだ。






2016年6月26日。
ツール・ド・美ヶ原がすぐ近所で開催されている週末の朝、僕は保福寺峠にカブを停めた。




峠には、僕のレッド・スコルピオン号のみ。




この峠は、明治二十年代、かのウエストン卿が日本アルプスに登ろうと信州を訪れた際、東から西へと越えた。ここから常念山脈と背後の主稜線を眺めて、絶賛したと伝えられる。





あいにくの梅雨時である。絶賛するほどではなかった。





 馬頭観音のすぐ脇、急な坂道を登っていく。





理由は知らない、なぜかお寺の鐘の音を聴いた。空耳かとも思ったが、数回、聴こえた。僕が何かに化かされていたのかもしれない。






最初に踏んだピークは、二ツ石峰(1563.6)。





この日はたくさんの百足を見かけた。




途中、西側の眺望が得られる。




おおお、ケツ出し山が間近に見えてきたぞ。




気持ちの良いトレイルである。青木村などが整備を始めている模様。案内板の距離やコースタイムが未完成だった。





木漏れ日の下のギョリンソウ。




そしてケツ出し山山頂。
友人は「違う」と言うだろうが、正確には入山山頂(1626.5m)。





これが鞍部の土の盛り上がり。すなわち、信州の....  もういい。





もうひとつのピーク。









下山後、四賀保福寺集落の田園越しに、常念山脈が見えていた。




立派なお宮さんがある。津嶋神社さん、御神威に満ち満ちし境内の清々しいこと。

山の神さま、ありがとうございました。
お尻云々はともかく、*門とかすみませんでした。







4 件のコメント:

  1. ここは安曇野ではよく知られています。
    しかし、伏せ字の意味が全くないような気がする。
    いや、何というか、こまった。

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    1. 実は常連さん。
      お困りのようで何よりです。
      すいません以後気をつけます。

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  2. ア*スのことを「*門」と表現するセンスに脱帽しました。すてきです。

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    1. 別に*(アスタリスク)を選んだ訳ではありません。
      その形状とか放射状の部分には反応しないでください。
      ■とか●とかでもいっこうに構わぬのです。

      GPSのトラックログを取っていたのですが、
      現地にて放射状に移動してトラックログも*にしたりとか、
      一切やっておりません。

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