2016年1月4日月曜日

病み上がりの青空に

三が日の間、正座する場面で、その異変に気付いた。

ケツの骨が、足に痛いのだ。土踏まず辺りに載っているケツ骨が尖ったような感覚。あれれ、という違和感はすぐに、足腰の筋肉が減っている事実を突きつけてくれた。暮れの一週間、点滴を受けながら病院のベッドで過ごしている間に、筋肉が衰えてしまったのだ。




あああ、梢の先の青さが目にしみる。



突然の入院で、僕は年末年始の山を諦めていた。常念岳へ、安曇野側から烏川渓谷へ入り、東尾根からのアプローチ。二の沢の合流点の先の取り付から二泊三日で狙う計画を練っていて、ワカンの手入れ、アイゼンの爪研ぎ、さらに食糧の準備も済ませていた。この計画が、入院が決まった瞬間に蒸発したのだ。さらに悪天候での代替案、黒百合テン泊での天狗岳も流れた。入院中は痛みをこらえながら歯噛みして、二泊以上の山は春の連休までお預けとなったことを嘆く。





病み上がりの青空に誘われ、ここらで少し歩いておこうと近所の裏山へ出掛ける。松本市街地から国道254を三才山トンネルへと少し走る。駐車場には僕のカブだけ。




戸谷峰1629mという。毎年数回は足を運ぶ場所だ。




日陰には雪が残っている。大晦日遅くに降り出した雪だ。




この樹に会うといつもエロチックに感じてしまう。国道からやまみちへ分け入ってしばらく、落葉広葉樹が占める。




稜線に出ると、アトラスが迎えてくれる。いつも書くのだが、アトラスはホオの樹で、僕の古い友達。




山頂へと続く広やかな尾根。北側にだけ雪が残る。




野生動物たちの息づかいが聴こえるようだ。




戸谷峰山頂。元日ハイクで大勢の人が訪れたのだろう。




山頂から西を眺める。安曇野には薄く雲がかかっている。その向こうに聳える常念山脈の峰々。槍穂にはガスが巻いていたが、霞沢岳のK2、主峰は見えている。




大滝山から大天井をズーム。




東側、遠く浅間山、中景に上田の独鈷山。右手前の黒いのは、戸谷峰と稜線つながりの六人坊。




南側、鉢伏山から塩嶺峠のライン。拡大すると、甲斐駒、北岳、仙丈が見えている。お分かり頂けるだろうか。




気持ちの良いトレイルを踏みながら下山。




鹿の角の根っこを拾った。




帰り道に必ず寄って行くお宮さんがある。御射神社さんといって、信州一宮、お諏訪様に連なる神さまが春宮さん、秋宮さんと、それぞれお祀りされている。春宮さんは浅間温泉の一角に鎮まっておられ、秋には『松明祭り』が執り行われる。これは、山から里に下っておられた田の神さまを山にお帰しするお祭りで、秋冬を神さまがお過ごしなさるのがこの秋宮さん。ここ、御射神社秋宮さんの境内で感じる「気」はもの凄い。御神威そのもの。




正面鳥居より。境内に老杉がうっそうと茂るお社である。

往路で寄ったコンビニには大福がなかった。お供えも携えずにやって来てお叱りを覚悟していたのだが、山の神さまは「ちっ」と仰っただけ。どうやらお見限りではなさそうだ。調子こいて、今年も何度も出掛けてこよう。






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