2015年9月15日火曜日

闇、朝焼け、きもちわるいはな


真っ暗な山道を歩きたくて、真夜中過ぎに家を出る。安曇野をとことこ走って一ノ沢の奥にカブを停め、常念乗越に出る少し手前で、朝を迎えた。大天井まで歩いてこようと予定していたが、稜線の風はあまりにも厳しく、横通岳の山頂を踏むだけで、我慢。それでも1ヶ月ぶりのナイトハイクを楽しみ、神々による朝の荘厳な演出も、こころゆくまで味わうことができた。






いつの間にか一ノ沢のトイレが新しくなっている。03時20分スタート。






闇の底に佇む、山の神。






04時15分、大滝ベンチでナルゲンに1リットルを詰める。






04時35分、烏帽子沢通過。






この日も娘の遠足パックで来てしまった。






05時、笠原沢出合。天文薄明の始まりで空が明るみ帯びてくる。






一ノ沢沿いに高度を稼いできた。振り返ると、安曇野の空が焼け始めている。






いよいよ始まる。標高2,000mを超えた場所まで上がってこれた。






移り変わるひかり、色彩、かたち。闇が光に、置き換えられていく様子に魅入る。太陽の姿が雲の後ろから現れる。






そしてサンライズ!






山肌を照らす、朝の光。ダケカンバの幹が輝く。






一ノ沢の谷を満たしていた闇が明け放たれていく。






常念山頂付近にも朝の光が差す。






高巻き道から常念山頂方向。ガスが出始めたぞ。






左が残雪期ルートの枝沢。これが雪に埋め尽くされているのをハァハァ言いながら登るのだ。ふふふ、春になったら。






0700時、乗越は強風、烈風。テント場で撤収しているパーティーは大変だったろう。






振り返ると安曇野には光が注いでいる。今日は常念岳には向わず、北に進路を取る。わずかに樹林帯を歩くと横通岳への登りにかかる。凄い風だ。






0750時、縦走路から別れて風に叩かれながら横通岳山頂。ここで大天井へ向うのを断念して一息入れる。といってもシェルのフードから吹き込む風がヴォヴォヴォヴォヴォヴォと凄い音を鳴らしている。ガスで見えない槍に背中を向ける格好で、長居できる状況でもない。






山の神さまへ、お供え。もちろんむしゃむしゃ。






さて、帰りましょう。0830には稜線を後にする。乗越直下のナナカマドと常念。





悪夢のようなきもちわるい思いをした。


きもちわるい。気持ち悪い。キモチワルイ。






ものすごく不安にさせるかたち、色、存在感。仮に、もし、呼びかけて振り返った人の顔がコレだったら、あなたはどうする? 僕なら一瞬で自分の心臓を止める自信がある。






きもちわるい。不安になる。蜂が居る。不安になる。嫌なことを立て続けに思い出す。不安になる。






こんなキノコの姿の方が、はるかに好ましい。






下山後。いつも通り「道の駅 ほりがねの里」で昼食。前回と同じく天ぷら蕎麦大盛り。






山の神さまありがとうございました。あのきもちわるいのは別として、結構なひとときを頂戴しました。あの気持ち悪いのを忘れさせてくださいお願いいたします。





3 件のコメント:

  1. 朝3時過ぎですか?クマは大丈夫ですか。こっちでその時間の藪はクマをデートに誘うようなものなので、ちょと。。。。。ちなみに、その気持ち悪い花は、なんかクマににているような。。。。

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  2. あ、本名を入れていましました。先ほどのコメント、マスのスケです。

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    1. アラスカの兄貴!
      すいません今ごろになって。ええ、明神の準備やら下山後の筋肉痛やらで、お察しください。
      >クマをデートに誘う
      そちらのは肉食ですからなあ。おお、美味そうなのが来たクマー!って来られた日には、「食べないでください」って冷静に言えるか自信がありません。それにアラスカの熊に日本語通じるとも思えないですし。そりゃあ混乱しますわな。英語で何ていうんだっけ? ってもっと勉強すれば良かったとか後悔し始めたり。

      あのキモイ花、未だに解りません。はっきりしてるのは、毎夜、悪夢がやって来るということです。万が一見つけられても、けっして近寄りなさらぬよう御進言申し上げます。

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