2016年5月14日土曜日

Yonige Style

この春の上高地にて、多数の観光客、クライマー、ハイカーをして失笑、哄笑、いや嘲笑というか嗤笑を禁じ得なかったひとつの光景があった。

その男、背中の荷が余りにも酷くて、その姿を目にする誰もが

「ぷぷぷぷぷ」
「あはははははははははははははははははは」

と思わず嗤いこぼしてしまうという事案があったのだ。

その男、不惑を過ぎてからザックの上限を38リットルと決めている。むやみに大きくすると、マットやらシュラフやら酒やら、担ぐ荷が増えてとうとう担げなくなる。そのことを知っているから、38リットルで入らない装備の山には行かないと決めている。がしかし、残雪期だ、バリエーションだ、となると装備も増える。ならば外付けすれば良いと雪上装備とマットが外付けになる。そこまでは良い。


今回の山旅でも、出発時はまだ良かった。左がその男の38リットル。右はJのキューベンみたいなファブリックのすてきなパックだ。Jの場合、人間も姿もとてもスマートなものだから、装備が外付けになっていても清々しい。巧い例えが思い浮かばないが、そう、十字軍に赴く聖ヨハネ騎士団の戦士の装備のように潔く美しいのだ。




上高地線松本駅のホームにて。





徳本峠のテント場にて。入りきらない荷がその辺に散らばっている。しかしまだ許せる。

この後、上高地明神へ下山し、小梨平にさらに二泊している。撤収時、食糧も酒も尽きて荷は減ったはずなのに、入らない。まあ妥当に考えてみれば、北アルプス残雪期のテント泊、それもバリエーションルートの予定も組み込んで三泊四日となれば、38リットルという前提が間違っているのだ。

上高地を後にする時の装備を見てみよう。



ぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ。
なにこれ恥ずかしい。




いったい何を詰め込んで、それが入りきれなくて外付けされているのだろう。

「そこのひげ面に坊主頭の怪しげな山男、装備の中身を見せなさい」




ええっ〜...

左上から、サレワの12本爪クロモリアイゼン、BDのトレッキングポール、クライミングテクノロジーのアックス、マムートのスコップ+エスパースソロのポール。
ゴアのグローブ、食糧用のポーチ(空のプラティパスも)、オレンジのはファーストエイドと小物、黒いのはバラクラバと予備グローブ、BDのハーネス、ORのクロコダイルゲイター、ヘルメット(CAMPのRock Star!!)、最下段がガス缶とクッカー、エスパースソロ、モンベルの5番にはダウンジャケットとダウンパンツも。さらにガチャ類、ロープはべアールの8ミリ20mクライミングロープ、セイシェルの浄水器。

ハハハハハハハハハハハハハハハ!
おい、38リットルに入る訳無いだろう?

せめて50リットルにしろよ。どこから見ても、夜逃げスタイルだぜ。









4 件のコメント:

  1. ザックに括りつけてあるといっても、アイゼンとセイシェルだけのような気がしますが、その他がよく入ったと感心します。ダウン上下がまた不思議で、シュラフと一緒にあの大きさだというのが・・・なぜだ。

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    1. 師匠、反対側にはトレッキングポールも突っ込んであります。
      脱落防止の仕掛けが不十分なので、シュリンゲでSMショウの真似です。
      情けなくて泣きたくなってきましたので、50L買います。
      シュラフが小さいのは、5番だからです。夏山用です。
      また情けなくなってきました。

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  2. ClimbingTechnologyナカーマ!!
    ワテクシはまだ使ったことないですけど(´・_・`)

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    1. ハガーさん、ナカーマナカーマ!
      かなり根拠のある予感ですが、今度の冬に赤岳鉱泉の前で
      幕を並べてるような気がしてます。
      その際に、2本並べて鳥居をこしらえて、山の神さまに大福を。
      そしてお互いに「あーん」してむしゃむしゃむしゃむしゃ。
      冬が待ち遠しくてなりません!

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