食欲がおかしい、とは気付いていた。
ちかごろ、得体の知れない、突き上げるような衝動を伴って、僕はご飯のお替わりを何杯も食べてしまう。おかしい、おかしいと呟きながら、原因を考えた。
辿り着いた答が、季節だ。新米だ。
新米が悪いんだ。
新米だけじゃない。秋が深まるにつれ、僕は冬眠前の熊と同じ気持ちになってきた。冬のひもじさに備えて、たらふく喰っておきたいと、本能が叫んでいるのだ。原因がはっきりすれば、もう怖くない。ご飯を食べ続けた。
実際には、日照時間が減るに従って、セロトニンという脳内物質が減るからだと知った。セロトニンが減ると「満足感」みたいなのが充分でなく、憂鬱になったりするらしい。そいえば、ヴェルレーヌが "秋の日のヴィオロンの...." (堀口訳)と詠み上げた季節だ。僕がご飯を食べたって良いじゃないか。
空が、絶望的なまでの寂しさで、小川のみなもに写る。そしてせせらぎは囁くようにこう言ってる。
「もっとたべていいよ」
ちぎれて浮かんでる雲のかたちまでが、もの悲しい。光と影が、もの悲しくもこんな風に呼びかけてくる。
「たくさんたべていいよ」
拙宅の裏には、陸上競技練習場がある。運動すればセロトニンが増えるはずだ。走ればいい。いや違う。余計に腹が減る。ご飯がすすむに決まってる。
林檎の樹の葉は、こんなにきれいに色づく。色彩までが囁きかけてくる。
「たべてもだいじょうぶだよ」
庭の菜園の大根が、太り始めてる。土も大根も囁きかけてくる。
「もっとたべてもいいよ」
冬を前に、僕はどれだけのお米を、この狂った胃袋に詰め込んで行けば良いのだろうか?
どうりで、腹が減ると思いましたよ!!
返信削除最近飯がうまくてうまくて、、、、、
こっちは日の出が朝9時、日没は4時過ぎですよ。そういう理由なら、腹もへりますよ。
それにしても、そのリンゴのうまそうなこと、焼きおにぎりなんて味噌とネギの焼ける香ばしいにおいが、、、、、
こ、こ、これは、、、、、、、
やばい写真でいっぱいじゃないですか!!!!
いい忘れました。
返信削除これはやはり、冷凍庫に眠っている、鮭の頭にたっぷり粗塩をして、こんがり焼いて例の皮したのおいしいところをしゃぶりながら、炊きたての白米を口いっぱいに頬張るしかないですね。
まだまだ冬はながい、冷凍庫の鮭とニシンとキュウリウオをおかずにセロトニンの欠乏に対処することにします。
ちなみに今日はオデンでしたが、その美味しそうな大根をわけてもらえていたら、もっと美味しかったと思います。
アラスカの兄貴!
削除>日の出が朝9時、日没は4時過ぎ
ふえええええ。
そんなに夜が長いんじゃ、飲んだくれるしかないじゃないですか。
焼き味噌ですがね、おいらのオリジナルで、毎年作るんです。
青唐辛子を刻み込んでありましてね、美味いのなんの。
日本のコメの消費量を、かるく20%ぐらい底上げできる代物ですよ。
知りたい事柄が出てまいりました。
日本のコメって、ご当地でも買えるんでしょうか?
7-11でコシヒカリが売られてる状況ではないと拝察しますが。
同様に、おでんのマテリアルも....。
>ニシンとキュウリウオ
いかにもアラスカの冬の味わいって感じであります。
こっちじゃ、痩せたシシャモぐらいしか....
先週の鮭の頭のアレ、禁断症状出てきました。
最後の焼きおにぎりでノックアウト!
返信削除もうダメです…。