6月8日。夜明けに目覚めると雨音を聞いたが、少し身体を動かしておくことに決めた。あさめしはいつも通りどんぶりで喰らい、珈琲を一杯味わってから08時に家を出る。
ナルゲンに1Lの水、シャツ一枚、おやつ少々、小物のポーチ、キャップ、フロントバッグ、それだけを背中に詰めた。
シェルを羽織ってからカブで国道254を少し走り、08時35分、標高1,000mの野間沢橋から山道へ。
ここから振り返る松本市街地方向にもガス。
緑みずみすしいトレイルの頭上には、鳥たちの声が響く。声から名前を言い当てることはできないのだけれど、三、四種類ぐらいが盛んに鳴き交わしている。
気持ちのいいやまみち。僕はしあわせだ。
雨に濡れた樹木の肌を、エロティックなものと感じる僕は、病んでる?
このあたりの里山は、ニホンジカが増え過ぎていて食害が出ている。おや。皮を齧られた二本の樹の幹の間に、おまえ。写真中央右寄りの苔が生えた石の上。
ズームして少し補正。ぴょんきち、お前だな。
しばらく眺めていたら、ぴょんぴょん跳ねながら走り去っていった。走り続けろ、ぴょんきち。
赤松林では木漏れ日が足元を。
尾根の道に入って送電線の鉄塔を三本数えたら、稜線に出る。この地点には僕が勝手にアトラスと名付けた朴の樹が立つ。
アトラス、独りで全天を支えている勇姿。
霧の深い尾根道をなおも歩く。山頂は近いが、ガスに閉ざされて見えない。
この尾根の地面にはニリンソウが咲く。ピークは過ぎたようだが、まだ可憐な花を揺らしていた。
09時50分。これまで何度さわったか、戸谷峰山頂三角点。
南方向、烏帽子岩の尾根がガスを割って姿を見せた。送電線が見える。あの鉄塔の下を歩いて来たのだ。なおここは、晴れた日には西に穂高の岩の連なり、キレット、槍まで眺められる。
里山歩きなのに、こんなちゃんとした山靴で来ちゃった。
下りで10人ぐらいのハイカー集団にすれ違ったが、彼ら以外に戸谷峰山中に人の気配は感じられなかった。帰路に御射神社さんの秋宮に寄って参拝、こころ愉しい時間の御礼を申し上げる。それに、ありがたくも山の幸をいただいた感謝も。
帰宅時に家の裏手から眺めた戸谷峰。左奥のもっそりした山容。右手前の丘は、浅間温泉の裏山で大正山。
あぁ、こんな場所があれば毎週でも運動できるのですが。。。
返信削除走るのはきついんですよ、やっぱ。
わらび、葉が開く寸前ですけどまだこんな状態であるんですね。
やはり信州なのか。
これから灰汁抜きやるのでしょうか、結構面倒なんですよね。
しっかりと灰汁抜きしないと中毒になりますぜ。
師匠。裏山で遊べる環境、ほんとありがたいことと思います。
削除通勤の山道とか常念の眺めとか、奇蹟ですよ、毎日。
ここのワラビは灰汁が弱いようですね、一時間ぐらいですっかり抜けます。
反対に、西の方の天狗岩ってとこのは半日かけてもえぐいんです。
まあその方が僕好みではあるんですけど。
灰汁が強いって、なんか良いじゃないですか。