11月6日、めずらしく休みを得て一ノ沢に道を拾う。
朝05時に山靴の紐を締め、まだ明けやらぬ谷底のトレイルを歩き始める。06時過ぎに王滝ベンチ、07時過ぎに笠原通過。笠原の手前から雪が出てきた。
夏から秋の台風大雨のためか、沢筋の様子が一変している。流れが岸辺の土をえぐったのだろう、見覚えの無い巨岩が露出していた。霧の中、最終水場を通過。ここも荒れて以前とは異なる風景だった。小尾根に乗ってジグザグと高度を稼ぐ。09時20分、乗越に出る。
もう小屋締めとなって無人の常念小屋前から、聖なる穂先を遥拝。
風が強い。シェルのフードとバラクラバで耐える。一応書いとく。シェルはRabのエクソダス・ジャケット、ボトムはfinetrackのストームゴージュ・アルパインパンツ、ブーツはハンワグのスーパーフリクション。
10時50分、山頂に立つ。
アイフォーンのカメラが壊れている。というかアイフォーンそのものが壊れている。いいのだ、これから電話屋に出かけよう。
さて。何のためにここへ来たのか。
お供えである。
お槍さま、山の神さま。今年はじぇんじぇん稜線まで這い上がって来る機会がありませんでしたごめんなさいすいません。大福餅を重ねてお供えし、柏手を打つ。御礼を口の中でごにょごにょしたあと、むしゃむしゃとお下がりをいただく。うめえええぇ。
乗越まで戻って、お槍さまとお別れ。また来ます。
乗越から下はガスの中。時折ぽつぽつ落ちてくる。絶望的なまでに寂しい晩秋の色彩の中を、沢音とともに下る。15時半過ぎ、入山地点に戻り装備を解いた。
山の神さま、ありがとうございました。
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